この時期になると3者懇談が終わる頃なのですが、この3者懇談をこれまで私がしたり、他の先生たちがしているのをみて、保護者とお子様の進路が一致せずに保護者が進路をお子様に強制するというパターンが増えてきています。ただ、保護者とお子様の進路が一致せずに保護者が進路をお子様に強制するとその後お子様がどのような進路を歩むのかについては世間ではあまり語られてこなかったのです。今回はこのタブーについて私の経験談を元に書いてみようと思います。もちろん、全てが全てこうとはいえないので、参考程度に見ていただければありがたいです。
なぜ、保護者が進路をお子様に強制するのか?
→ 保護者の方にすれば保護者がお子様に進路の強制をしているつもりは全くないというのがほとんどと思います。ただ、実際、懇談をしたり、他のクラスの懇談の様子をみてみるとどうも色々な理由で保護者に熱が入るのか、保護者がお子様に進路を強制しているということを聞く数が年々増えているような気がします。今回はなぜ、保護者が進路をお子様に強制するのか?の原因を書いてみます。
家のため
→ 家が開業医だったり、会計事務所経営だったり、お父さんが医者だったり様々なパターンがあるのですが、家のため、自分が高齢化した時の跡取りのためにお子様に自分と同じ仕事について欲しいという思いが強すぎて子どもに進路を強制してしまうのです。昭和の時代、ギリギリ平成の時代は保護者が進路をお子様に強制することはできたのかもしれませんが、情報が溢れかえっているこの令和の時代には保護者が進路をお子様に強制することは非常に難しいです。というのは、お子様がインターネットを使って様々な情報を収集していますし、令和の時代、お子様にも選択の自由がありますし、親と同じ職業にお子様になるように強制するのには無理があります。
親の願いをリベンジするため!
→これも、意外にあるのですが、親がなれなかった職業にお子様を就かせたいという親のリベンジを果たすために、こどもに進路を強制するパターンもあります。ただ、親の願いをリベンジするために、お子様を使うことはこどもを道具にしかみえてないなと思いますし、こどもに反発されるリスクがおおいにあります。
決めてあげないといけないと親が考えている
→これも親あるあるなのですが、親がお子様に安定で幸せになってほしいがあまりに、親がお子様の仕事を決めてあげないといけないと思っているのです。ところが、このくらいの年齢になると自分のことは自分でできますし、自分でも誰からも強制されることもなく自分で進路を決めたい年頃なのです。
進路を親に強制された結果、お子様にどんな変化が現れるのか?
→これも人によってパターンが違うので一概には言えないのですが、親子で進路をすりあわせてくれて仲良くやってくれる場合もあれば親子関係で様々なトラブルが起きてしまう可能性もあります。今回は親子関係でどんなトラブルがあるのかについて語ってみようと思います。
勉強に手につかず、最悪の場合不登校になる
→こどもって本当に正直でいい子であればあるほど親の言うことに応えようと頑張るのです。ただ、親が求めている進路が自分の実力よりもはるかに上だったり、実現できる可能性がほぼないとこどもが自分を責め始めるのです。勉強に何日も何か月も手がつかない日々が続くのです。その結果、学校の授業が分からなくなり、定期テストもボロボロになり、自分はだめなんだと思って自尊心が削れ、最悪の場合には不登校になってしまうのです。しかも、このパターンは長期的な不登校になることもあり、復帰が大変だったりします。
進路でもめる
→親とお子様で進路のことでもめます。お子様にすれば自分の進路は自分で決めたいと思っていますし、反抗期ということもあってかこの年にもなって親に干渉されるのはって思っています。あとは、お子様が親に内緒で自分の進路を進めていて、親が気づいたときにはすでに時遅しだったりして、学部も親が考えているよりも高い学費がかかるところになってしまっていることもあります。
在学中や高校卒業後に奇妙なことになる
→保護者とお子様の進路が一致せずに、保護者が進路をお子様に強制すると、お子様のほうがこんな親に言われた進路なんてやってられないと反発して、勉強せずに友達と遊びに行ったり、場合によっては泊りがけで何日も友人の家を渡り歩いたり、家を勝手に出ていくなんてことも場合によってはあります。卒業後でも何年かして、なんで、自分は親に言われた進路をひたすら進んでいただろうかとふとした時に気づいたりして、ショックを受けたり、最悪の場合には精神的にまいってしまうこともあります。
保護者が進路をお子様に強制しないようにするならどうしたらいいの?
→これって非常に難しいですし、親にしたらアドバイスをしているつもりが実はお子様にしたら保護者が強制してしまっていることがあります。ただ、地道なのかもしれませんが「親の背中を見て育つ」という言葉があるくらい、親が楽しく仕事をしているところをこどもに見せることが大切なのかもしれません。実際に、親の看護師の仕事をみて、自分も看護師になろうと思った生徒って意外に多いのです。
まとめ
→色々、保護者としてはお子様に進路のことで言いたいことがあるのは分かりますが、保護者とお子様の進路が一致せずに、保護者が進路をお子様に強制するとお子様は反発することが意外にも多くあります。少なくても親子の仲は悪くなることはあります。なので、保護者のスタンスとしてはどちらかといえば「親の背中を見て育つ」という言葉があるくらい」保護者が楽しくしている姿をみせることが大切だと思います。意外に、お子様ってそういうところをみているのです。
コメント