最近、ニュースとかをみていると教員の働き方がブラックになっているという新聞記事やネットニュースを見たことがある人は多いのではないでしょうか。今回は進路の選択肢の1つである学校の先生になることはなぜここまでブラックと言われるようになったのかについて学校の実態を知っている私が書いてみようと思います。
教員がブラックと呼ばれる理由
→学校の先生って学校や地域にもよりますが、全ての学校がブラックとは限りません。ただ、私が勤務しているカテゴリーの高校で言うと、全日制は部活もあるせいか長時間労働でブラックであることが多い一方、単位制や定時制は定時出勤、定時退社していることが多かったりします。今回は全日制高校に絞って書いてみようと思います。
勤務時間が長く授業以外の会議の拘束時間が長い
→とにかく朝が早く勤務時間が朝7時半から始まり17時に帰ればまだしも、部活の関係で実際の退勤が19時とか21時とかになってしまい長時間労働化するのです。40代前半までの若手の先生だと文化祭や体育祭の委員や運動系の部活の主顧問だと土曜日、日曜日の練習に責任者として学校で勤務する必要が出てきます。もちろん、薄給ですが手当は出ますが。あと、学校の先生は実は授業以外のこともするのです。例えば、会議だけでも成績会議、職員会議、特別指導における会議、進路会議など多岐に渡ります。最近は、ICT、不登校や精神的な問題を抱えている生徒も増えているので、これらの生徒の対応(家庭訪問も時にはある)をしていなかいといけません。あと、進学校だと土曜日・日曜日に進学補習をするなんてこともあります。学校の勤務時間だけで仕事が終わらない時には仕事を家に持ち帰ります。その結果、土日も含めて祝日までも仕事をすることになります。あと、この仕事って若い間はこの激務をしてもなんとかなるのですが、40代くらいになるとさすがに体力が落ちてきます。それと、様々な要因があるのですがこの業界には結婚していない人もたくさんいます。
組織が閉鎖的で組織が崩壊している場合がある(パワハラも含め)
→学校の組織は学校村と呼ばれるくらい閉鎖的な組織です。学校にもよるので一概にはこれが原因とは言えませんが原因としては、管理職のトップダウンと年功序列という暗黙の制度のせいだと思います。管理職や年配の先生が間違ったことを言っていても逆らえなかったりするのです。その結果、先生一人一人がまるで個人商店の店長みたいにバラバラになってしまうのです。同僚に助けを求めることが困難になってしまうこともあります。例えば、進路に関してそれぞれの先生で同じことでも言っていることが全然違うなんて当然のようにあります。あと、組織が閉鎖的なこともあり、意地悪な教員が教員にパワハラを引き起こす可能性があるのですが(人間としてはダメ)、学校はこういう点に関しては見て見ぬふりをして閉鎖的を通り越して隠ぺいすることもあります。その結果か分からないですが、若手はもっと働くべきという暗黙の考え方がこの職場に根付いています。
書類作業が異常に多い
→これは公立の学校に多いのですが、教育委員会から実に様々な調査や書類が学校に舞い降りてきます。しかも、これらの調査や書類をしっかりとしておかないといけないなんていうような雰囲気なところだと、全ての書類を学校の業務に加えて対応しようとします。しかも、集計の入力調査票を紙で集計した上でExcelに入力するという業務と時間の無駄遣いを平然とします。当然、紙の集計表とexcelの集計表の両方を提出するってことも普通にあります。
時間単位に直すと実は給料と見合っていない
→正直言うと、学校の先生って20代から40代に関しては民間企業よりも給料が高いです。教諭や常勤講師(自治体にもよる)だとボーナスも普通に出ます。ただ、気を付けないといけないのは時間単位に直すと割に合っていないのです。どういうことかといえば、授業、(校内、校外も含め)会議、部活などの学校業務は当然なのですが、最近だと不登校、ICT、LGBT、インクルーシブ教育における特別支援などの個別支援もあります。あと、定期テストの作成及び採点や小テストの作成及び採点も入れると割に合わないなんてことも普通にあります。
冷暖房の設定温度が高いまたはそもそも冷暖房の機器がない
→これは地域性や学校によるものだと思うのですが、私の住んでいる大阪では学校の冷暖房の設定温度が夏は高く、冬は高いので、体調が悪くなることがあります。しかも、学校の教室によってはそもそも冷暖房の装置がなかったりするなんてこともあります。
定期テストの採点で土曜日、日曜日に学校に出勤をすることも
→ 学校によっては採点は手ではなくデジタル採点という学校もあります。ただ、デジタル採点を入れれていない学校が実際には多かったり、デジタル採点が導入されていても実際には先生たちが使えていないなんてこともあります。そんな時には採点が手で採点することにもなるのです。そんな時に、自分が担当しているクラスが2単位で6クラスとか7クラスで1クラスあたり40人の生徒数になると240人とか280人の答案用紙を採点することになるのです。しかも、学校って定期テスト返却までの日数が少なかったりするので採点のために土曜日や日曜日に出勤する必要があるのです。
実際に、教員ってしんどいの?
→こればかりは地域や学校にもよるので一概にはいえないのですが、全日制の高校で部活の主顧問をしている場合や学校行事の委員を担当していれば体力的にも精神的にもしんどくなることはあります。一方で、学校行事や部活がさかんでない定時制高校や通信制高校だと教員って意外にも体力的にも精神的にもしんどくなかったりします。要は、勤務する学校にもよります。
学校の先生に向いている人
→これをみてブラックだと思った人も多かったではないでしょうか。ただ、人って感じ方は実はそれぞれで学校の先生に合っている人もいるのです。なので、今回はどのような人が学校の先生に向いているかについて説明しようと思います。
仕事が趣味になっていてダラダラするのが好きや体力のある人
→ 世の中には仕事が趣味になっていて仕事以外にすることがない人は世の中に意外にもいます。そういう人には学校の先生はうってつけだと思います。あと、学校って意思決定が遅く会議でも長い時間するのでダラダラが好きで体力のある人にもおすすめだったりします。
他人のこどもと接してこどもの成長が見たい人
→結婚していない先生が多いので自分のこどもの成長を見たい人には向かないのですが、他人の子どもと接することができますし、何よりも学校の先生の醍醐味である子どもの成長をみることができます。
結婚希望がなく安定志向が強い人
→学校の先生は学校にもよりますが、土日、祝日はなくとにかく忙しいことは覚悟して働くほうがいいです。なので、一生独身の人もたくさんいたり、一度結婚しても残念ながら離婚してしまってバツイチだったりバツイチ子持ちだったりします。ただ、学校の先生のメリットは安定的に給料やボーナスが入ってきますし、仕事で忙殺されるのでお金を使う暇がないのです。その結果、お金が溜まりますし、株や投資もできます。退職金も大手企業並みにあります。但し、気を付けないといけないのは学校の先生はお金のリテラシーが低いことがあるので株や投資で騙されてお金がなくなってしまうことがあります。
ローンや借金の返済額が高い人
→これは本人のローンや借金の場合もありますが、親の事業や住宅ローンや借金を返済するために学校の先生になった人もいます。あと、最近だと奨学金の返済をするために学校の先生になる人も増えています。
まとめ
→学校はヤバいなと思った人も多いのかもしれませんが、学校の先生に合っているかは性格にもよるのかなと思います。ただ、学校の先生は子どもの成長を見れたり、給料、ボーナス、退職金も大手企業並みだったりしますが、一方で激務になることもありますので注意が必要です。自分が学校の先生に向いているかはやはり事前の見極めが大事かなと思います。
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