最近、私の勤務している学校では指定校推薦って受験回数が少なくて済むのでコスパがよく毎年のようにあると思っている人が多いのですが、実は大学によっては指定校推薦って毎年人数が増えたり減ることもあるんです。みなさんには理解しにくい部分もあるので、なぜ、そんなことが起きてしまうのかということについて書いてみようと思います。
指定校推薦入試の枠が取り消されたり、人数が減らされたりする理由
その大学に行った先輩の成績が悪すぎた
→ 大学にもよるのですが、大学から指定校で入学した生徒の成績表が毎学期高校に送られてきます。その中身はその生徒がこの大学でどれくらいの成績なのか、何単位とれているのかが詳細に書かれています(とある大学は私の想像以上にめちゃくちゃ細かい成績表を送ってくださり、こちらもびっくりするレベルです。)。大学で成績がいい人は問題ないのですが、指定校で大学に入っていて、大学の成績が悪い生徒に関しては高校で直接ご指導お願いしますみたいな通達文が入っていることがあります。ここで気を付けないといけないのは、高校から指定校で大学に入学し大学の成績が悪い生徒が続出すると、大学側からお𠮟りを受けたり、下手をすれば指定校推薦の枠自体を削られることがあります。
途中で先輩が退学した
→ これも意外とあるのですが、指定校で行ったにも関わらず先輩が大学を途中で退学するというケースがあります。どういう理由かは人によってそれぞれなのですが、私の知っている限りだと、意外と多いのが自分の思っていた学部と違うから退学するや未成年飲酒が多いような気がします。あと成績不振もあります。
高校の進学実績が大学側からみるとよくなかった
→ 傍から見ると分かりにくいのですが、指定校って実はその高校がこれまで勝ち得た信用なのです。なので、指定校をもらっている大学に対して一般受験でもある程度(各大学により基準が違い一概に言えない)の合格実績を作っておかないと、その大学に興味がないのかなと思われ、指定校を減らされることがあります。
そもそも、指定校推薦を使う生徒がいない
→ これもえっそんなことと思われるかもしれませんが意外とあったりします。私も意外だなと思ったのは関西の高校で関東の大学に指定校推薦の枠があるにも関わらず、学費や生活費が高いから結局誰も指定校推薦をとらないということはあります。そして、何年も指定校推薦入試を受ける生徒がいない年が何年も続くと、指定校推薦の枠が減らされ、消滅することもあります。
指定校推薦入試の枠が増える場合
その大学の進学実績が向上している
→ 指定校推薦ってその大学との関係性が大事で、大学によっても違うので一概に言えないのですが、たくさんの人数がその大学に合格して、進学者も増えてくると指定校推薦入試の枠が増えたりします。但し、この部分は進路指導部の営業力や学校の経営手腕にも関わっていることがあるのですが、営業力や経営手腕が優れている学校は指定校推薦入試の枠が増えたりします。
とある高校の先生の中に有力者がいる
これはあまり少ないのですが、高校の教職員の中には大学とつながっていたり、その大学の有力な卒業生でもあったりと大学とつながりのある人がいらっしゃいます。そういう教職員の方が大学に頼むと、指定校推薦入試の枠が増えることもあります。学校名は言えませんが、ある高校(B社の模試で偏差値40後半)の教職員の方のお陰で、偏差値65くらいの大学に指定校推薦入試の枠があります。
まとめ
要は、指定校っていうのは高校と大学の信頼関係で成り立っているのです。なので、指定校推薦入試の枠は増えたり減ったりもします。指定校推薦で大学に進学するなら学校や後輩に迷惑をかけないようにしましょう。そうじゃないと、あまりにも後輩が可哀そうですし、後輩も先輩が嫌いになりますから。しかも、指定校推薦って1度失うと10年くらい戻らないですし、下手すると、一生戻ってきません。なので、大事なんです。指定校推薦入試の枠は失うともったいないです。
コメント